小笠原諸島の父島に行ったことがあります。東京の竹芝から片道25時間の船の旅でした(今は船が新しくなり24時間です)。比較的大きい船なので、船酔いもそれほど心配していませんでした。ところが、遠方の悪天候の影響で行きは海が大荒れ。耐え忍ぶ船旅となりました。
漁師さんも船酔いする?!
人は、慣れない不規則な揺れという刺激の連続に対し、脳がパニックを起こします。その結果、自立神経に異常な情報が伝わります。これが船酔いの原因です。
漁師さんなど、ふだん船に乗りなれている人でも、船の種類が変わると船酔いすることがあるそうです。実際に移動中にそのような話を聞きました。それだけではなく、いつも同じ船に乗るのが仕事の人でも、その船上でしばしば酔ってしまう人もいるそうで、完全に慣れの問題ではすまされないこともあるようです。
港に着きました。船から降り、陸地に足を付けます。ほっとします。しばらくは、揺れているように感じます。脳はしばらく、船上の状態を引きずっているようでした。
船酔いになってしまったら後の祭り
比較的大きな船だったので、油断していました。
酔い止めの薬は用意していました。しかし乗船前に薬を飲んでいませんでした。
船の揺れが大きくなったのは、出航して数時間後、陸から離れて大海にでてからでした。
天候は悪くはなかったのですが、遠方の悪天候の影響が伝わり波は大荒れでした。
船酔いが回ってから、酔い止め薬を服用しました。しかしすぐ体内から排出してしまいました。
せめて、揺れが大きくなったころに用心して薬を飲んでおけば少しは症状は軽かったのかもしれません。
説明書には、「乗車船の30分前に服用することで安定した効きめを発揮」と書いてあります。
海は大しけで、多くの人が酔い、トイレも人の行き来が激しい状態でした。
脱水症状にならない程度の水分を少しずつとりながら、ひたすら耐え忍び、揺れのおさまりを祈り、体が楽になるのを待ちました。
そのような状態で浅い眠りをとり、夜が明けると、海は穏やかな状態になっていました。
外の空気を吸いに船の外に出ます。
せっかくなので、少し無理をして、おそるおそるでしたが、船内のレストランで軽い食事もとりました。
父島に到着しました。
島で民宿を開いている人が自分の民宿名の書いてある看板をもってお出迎えしてくれています。
私も予約していた民宿名の看板を持っている人のところにいきました。
まず、宿泊である私の名前を確認してもらいます。そして、
「船、大荒れだったんだってね。大丈夫?」と話しかけられました。
すでに島に航海の様子が伝わっていました。大きく荒れていたのだと、改めて認識しました。
いざ帰路へ
次の帰りの船まで3泊4日の滞在。観光をして帰路につきます。
これが最低日数の滞在になります。父島に行って帰るには、船内泊も含め最短で5泊6日が必要になります。
早く帰りたくても帰れない。もっと滞在したい場合には7日単位の追加が必要です。
正直なところ帰りも船酔いの苦痛が起きないか不安でいっぱいでした。
帰りは、しっかり乗船前に船酔いの薬を飲みました。
多くの島の人たちが、陸から見送ってくれます。
出航後も何艘もの小型船が長い時間、並走して、見送ってくれます。
私がアクティビティとして、遊覧、ドルフィンスイムで乗船した船もその中にありました。
帰りのは海は穏やかで、快適な船旅となりました。
旅のトラブルはそれはそれで楽しいこともあります。
しかし、事前に想定されることについては、油断禁物でした。
次に行くときには、乗船30分前に、酔い止めの薬を飲みます。
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