ラジオゾンデが空に放たれた

出来事

小笠原諸島の父島の気象観測所で、ラジオゾンデの気球が空中に放たれるところを見ました。放たれた気球はあっという間に空の彼方に小さく消えていきました。ラジオゾンデによる気象観測が行われているのは日本でわずか16か所です。

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ラジオゾンデの気球はあっという間に空の彼方に

気象庁の観測所ではラジオゾンデによる高層気象観測が行われています。小笠原の父島訪問を機会にその様子を見にいきました。
チャンスは1日2回。9:00と21:00です。夜は暗くてよく見えないので、朝の9:00を見に行きます。

気象観測は9:00に行われるといわれていますが、実際に観測機器が空に放たれるのは、その30分前の8:30です。ここは注意点です。

8:10ごろに気象観測所に行きました。
朝が早く、事務系の通常業務は始まっていないようでした。しばらく後に観測所の人を見つけて、見学のお願いをしました。

芝生の広場のはじっこで、気球が上がるのを待ちます。
放出のしばらく前に、観測所の方が、「少し風が強いので、気球が万一そちらにいった場合には気を付けてくださいね」と注意しにきてくれました。

倉庫の中でゴム気球にガスを充てんして、放出の準備をします。

倉庫から、気球の端をもった担当者が芝生の少し広いところに移動し、カウントダウン。
8:30ちょうどに手を放しました。

気球は多少の風があっても、その浮力が大きいので、横の移動以上に上空への移動の速度が勝っていました。

気球は見る見る小さく、空の彼方に消えていきました。

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1分で360m上昇、高度30kmで破裂・落下

それもそのはず、気球の上昇はおよそ秒速6m。1分で360mの上空に達します。
10分で3.6km。30分後の9:00に10km上空に達することとなります。

90分後に上空およそ30kmまで達したのち、気球は破裂します。そしてパラシュートとともに観測機が落下します。

ラジオゾンデ気象観測網

ラジオゾンデは、上空の気温、湿度、風速、風向などをGPSによる高度計測値と合わせて観測・記録する機器です。

計測された値は気球が放出された観測所などの上空のデータとして処理されます。
気球は風に流され、放出された地点から10km以上離れてしまうこともあるそうです。
ラジオゾンデを用いた高層の気象観測は、主に2000km超えの大きなスケールの現象の解析を目的としているので大きな問題ではないのですが、少しばかり誤差の原因となることもあるそうです。

2020年5月の時点で、日本でラジオゾンデ観測が行われている場所は16か所です。
稚内、札幌、釧路、秋田、輪島、館野、八丈島、松江、潮岬、福岡、鹿児島、名瀬/本茶峠、石垣島、南大東島、南鳥島、そして父島です。
離島や本土でも海沿いの比較的出っ張った地形のところの割合が多くなっています。

その他に日本として、南極の昭和基地でも行われています。

世界でも160か所ほどでラジオゾンデが同時刻(世界標準時の0時と12時)に上げられています。

近所や旅行先で、気象観測の気球の放出をする観測所などがあるようでしたら、調べて見に行ってもおもしろいと思います。

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