飛行機の換気で生じる風速

乗り物

飛行機の中の換気はとてもよくされていると聞くけど、実際にどのくらいの速さで行われているのでしょうか。
乗っていて体感的に感じることが無かったので、ざっくり計算してみました。

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飛行機内の換気で生じる風速は秒速3cm

先日、全日空(ANA)の飛行機に乗ったところ、
キャビンアテンダントさんの機内アナウンスがありました。
「機内の空気は、約3分ですべて入れ替わります。」

それだけ、聞くとなにかすごく換気されている気がして、
なんで風をかんじないのかな、と不思議に感じました。

私自身、席の位置などでも多少の差は感じますが、あまり空気の流れを
意識して感じたことがありません。

換気による、空気の移動は上から下に流れるダウンフローになっています。

およそ、換気によってどのくらいの風速が生じるか、試算してみました。
とても、おおざっぱに考えると、空気は5.7mの距離を3分(180秒)で移動します。
すると速度は0.03m/s。つまり、1秒間に3cmずつ上から下に空気が流れ続けている計算になります。

気象の世界で人が風を感じない「風力0の静穏状態」は、0.3m/s未満です。
その1/10程度ということになります。
意外と気が付かないまま、換気がされているわけですね。

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クリーンルーム内の風速


昔、仕事でクリーンルームの中に入ったことがあります。
TBSで放映されたドラマ、下町ロケットの佃製作所内にもありましたね。
クリーンルームというと、まずは半導体工場というふうに思いますが、
機械部品でも精密なものの製作では必要になることもあります。

このクリーンルームも飛行機と同じで、上から下にきれいな空気を流すダウンフローによって塵などのとても少ない環境を作ります。
クラス10000(0.5μm微粒子が1立方フィートのなかに10000個以下)のクリーンルームの平均気流速度は0.05~0.07m/s程度とのこと。

目的や条件が違うので単純な比較はできませんが、飛行機の換気はこの程度のクラスとほぼ同等です。
飛行機もクリーンルームも、用途によって差はあれ高性能なフィルタを通した空気が入ってくるようになっています。

まとめ

飛行機の換気での風速について見ました。
実際には、乗っていて上から下への風の流れは感じられませんが、クリーンルームとの比較で、とてもスペックが高いと言えそうです。

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