乗り物にのるとき、進行方向の右側によりかかると、少し楽”かも”しれません。
楽な席の候補
進行方向に向かって右側に寄りかかれる席。
例えば、東海道新幹線の下りだと2列窓側のE席。上りだと3列窓側のA席。
通勤用の車両だと進行方向に向かって右側の長いシートです。飛行機だとA席と反対の窓側席です。
なぜ右側
地球は自転しています。自転している地球上を移動すると日本の位置する北半球では、その移動しているものを右側に押す力がでてきます。オーストラリアのある南半球では、その逆、左側に押す力がでてきます。堺である緯度が0度の赤道ではこの力はでてきません。
左右対称の理想的な形をした洗面台の排水口に、あらかじめ多めの水を溜めて置きます。そして静かに流し始めると左まわりに渦をまきます。これは排水溝に向かった水が右方向に力を受けた結果生じる現象です。この力は物理でコリオリ力といわれます。
(コリオリ力は厳密には見かけの力で、観察する人を基準としたときに考える力です。)
どのくらいの力がかかる
東海道新幹線で考えます。
北緯35度の場所を時速300kmで走行。そのとき体重60kgの人は、左から右側におよそ40g押されている計算になります。
それならば、姿勢をまっすぐ保とうと思ったら、いつも左方向に傾こうと意識しなくてはなりませんね。
実際の走行時は、小刻みな左右の振動、前後の加速度が生じます。
それに比べれば、このコリオリ力は小さく、左右どちらでも、疲れの差はないでしょう。どちら側の席であろうと、窓際への寄りかかりや、頬杖をついたりすることのほうが疲労軽減となりそうです。
このコリオリ力、移動速度が早ければ早いほど、移動する物体の重さが重ければ重いほど、その物体のいる位置の緯度が大きければ大きいほど
大きくなります。
このコリオリ力は気象現象にも関与しています。
台風が発生するのは、このコリオリ力が一つの要因となっています。
また、北半球では、台風や低気圧が反時計方向に渦を巻くのもコリオリ力があるからです。
地球の自転の影響を考えながら乗り物に乗るのも、少し壮大で、乙(おつ)な感じがします。
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